「公務員を辞めたいけれど……いまさら転職なんて無理」
「仕事も大事だけれど……もっと家族や自分を大切にしたい」
あなたもこんな悩みを抱えていませんか。安定が魅力の公務員。しかし異動や人間関係のストレス、家庭との両立の難しさなどもあり、働く職員の悩みは尽きないですよね。辞めたいと思うのも自然な流れだと思います。
今回は、そんなあなたに「会計年度任用職員への転職」という選択肢をご紹介したいと思います。「正規から非正規への転身なんて考えられない!」と思われるかもしれませんが、実はわたしの自治体には、そのような職員が何人かいるのです。そしてみなさんイキイキと働いていらっしゃいます。
この記事では、会計年度任用職員のメリット・デメリットとともに、どのような人が会計年度任用職員への転身に向いているのかを解説したいと思います。民間企業への転職はハードルが高いというあなたの参考になれば幸いです。
会計年度任用職員:市役所などの公的機関で、年度ごとに雇用契約を結ぶ非正規職員のこと。パートタイムとフルタイムの2種類がある。
会計年度任用職員に転身するメリット

これまでの人脈やスキルが生かせる
会計年度任用職員に転身する最大のメリットは、これまでの人脈やスキルが生かせることです。長年、職員として働いてきたわけですから、仕事の内容や流れ、関係者の顔などはだいたい把握しているはず。これらは、あなたが身につけてきた貴重な「資産」です。部署は変わったとしても、同様の環境で働き続けられるので、身につけた「資産」を無駄にすることなく、活かすことができるのです。
異動の不安から解放される
会計年度任用職員になれば、異動の不安から解放されます。変わる可能性もありますが、基本的には同じ部署で同じ仕事をすることになるからです。部署も自分の希望や能力に応じて決められるでしょう。
異動は仕事の幅を広げるという意味ではよいことですが、多くの場合、大きなストレス。新しい部署や上司、同僚との人間関係を築くのは簡単ではありませんよね。異動を重ねるごとに昇給し、責任の大きい仕事を任されることにプレッシャー抱く人も多いでしょう。
収入ゼロの心配もなく、福利厚生もある
会計年度任用職員は、収入ゼロの心配もなく、福利厚生ものぞめます。収入は正規の給与と比べると少なくなりますが、毎月一定の給与をもらうことができるので、生活に困ることはありません。健康保険や厚生年金、退職金などの福利厚生も一部受けることができます。
令和4年10月からは、共済組合員になれるようになったため、共済貯金や保養所などの福利厚生サービスも利用可能になりました。
会計年度任用職員に転身するデメリット

会計年度任用職員への転身には、メリットだけでなくデメリットもあります。
次はデメリットについて見ていきましょう。
収入が少なくなる
会計年度任用職員に転身すると、当然収入が少なくなります。フルタイムの時給は千円程度。1日7時間勤務で約7千円。1か月20日勤務とすると約14万円。正規に比べると、かなりのダウンですね。
退職後も考え、家計を見直し、節約を心がけなければなりません。外食や旅行などのレジャーも以前のようにはできないでしょう。生活水準が下がることを覚悟しなければなりません。
不安定な立場になる
会計年度任用職員は、あくまで年度ごとに雇用契約を結ぶ「非正規雇用」。毎年3月末に雇用契約が切れ、4月から再び雇用契約を結ぶことになりますが、その時には雇用条件が変わる可能性もあります。また、
・給与が減額される
・勤務時間が変更される
・部署が変わる
というケースも。雇用契約が更新されないリスクもあります。
自治体の予算や人員の状況によっては数が減らされる場合もあるため、仕事の評価や自治体の状況を気にしながら契約更新の通知を待つ立場となります。
原則、副業できない
会計年度任用職員は、市役所の職員としての義務や規律に従わなければなりません。そのため副業をすることは、原則として禁止されています。給料が低いからと副業でカバーしようとしても自治体の許可が必要となるため、ハードルが高いといえるでしょう。
※パートタイム会計年度任用職員は副業が可能です。
「元正規職員」のプライドが邪魔する
会計年度任用職員になると、たとえ正規職員と同じ仕事をしていても、扱いや評価が違います。ときには自分より若い正規職員から、下に見られることもあるでしょう。元正規職員だったぶん、自分の立場を受け入れるのには時間がかかるかもしれません。
会計年度任用職員への転身が向いている人は

会計年度任用職員への転身には、さまざまなメリット・デメリットがあることがわかりました。では、会計年度任用職員への転身が向いているのは、どのような人なのでしょうか。
給料よりも自分や家族を大切にしたい人
会計年度任用職員は、給料よりも自分の心の安定や、家族との時間を大切にしたい人に向いています。なぜなら正規職員のような変化の多い環境で、重責を負うことがないからです。
わたしの職場に、家庭との両立が難しくなり、心を病んでしまった先輩がいました。しかし会計年度任用職員に転身したことで、いまは心の平穏が得られたとイキイキ働いていらっしゃいます。心の安定を最優先にしたい人には、会計年度任用職員への転身がおすすめです。
慣れた仕事や環境で働き続けたい人
会計年度任用職員は、慣れた仕事や環境で働き続けたい人におすすめです。なぜなら民間企業に転職するのと比べ、圧倒的に早く仕事にも環境にもなじめるからです。
正規職員だったころの知識やスキルを発揮し、即戦力として貢献できれば、自信へとつながるでしょう。かつての同期や親しい職員がいれば、困ったときにもきっと力になってくれるはずです。
重責を負いたくない人
会計年度任用職員は、正規職員のような責任を負いたくない人におすすめです。正規職員には施設管理や予算執行、議会や一般市民への対応など、重要な仕事が任されます。しかし非正規になると責任の範囲や程度が軽くなり、正規職員ほど責任を負うことはないからです。
プレッシャーを感じやすい人には、会計年度任用職員への転身がおすすめです。
周囲の視線に耐えられる人
会計年度任用職員への転身は「なぜ辞めてしまったのか」という周囲からの視線に耐えられるメンタルが必要です。安定した身分を捨てた職員は、否が応でも好奇の目で見られることがあるからです。
正規職員からの転身者は少ないのが現実。本庁舎が嫌ならば、利用者が限られる出先機関を希望するという方法もありますね。
【まとめ】会計年度任用職員に転身するメリット・デメリットをお伝えしました

以上、正規職員から会計年度任用職員へ転身することのメリットやデメリットなどをお伝えしました。この記事を読んで「自分にはデメリットよりもメリットのほうが大きい」と感じたならば、会計年度任用職員を選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いたきっかけも、わたし自身、会計年度任用職員に転身した職員に強いあこがれを抱いた時期があったからです。しかし「待遇が悪くなってまで続けたい仕事なのか」と考えた結果、この選択肢を選ぶことはありませんでした。
会計年度任用職員には、正規職員のような安定した身分や給料、福利厚生はありません。それでも民間企業に転職する一歩が踏み出せない、できれば慣れた仕事を続けたいという人には、一度考えてみる価値があると思います。
身体をこわしてまで正規職員を続けるならば、思い切って立場を変えてみませんか。
※会計年度任用職員の制度や待遇などはこちら(外部サイト:ジョブメドレー)もご覧ください。


コメント